12月
31
今後の課題

 一年最後の日に今までを振り返り、これから先を確認してみる。

 特に今年の後半(夏休み以降)はTSW部員にとって厳しい要求をしてきたのだろうと思う。
今まで考えたこともなかったようなことを「自分で考えろ!」と言われ、今まで経験したことのないような緊張の中で音を出すことを求められただろう。
 そして、その要求に応えようとはするものの、上手くいかず気が滅入り、自信がなくなっていく。やる気が削がれ、練習から逃げたくなる。その気持ちを指摘されさらに落ち込む。ずっとその連続だっただろうと推測する。

 辛かっただろうと思う。苦しかっただろうと思う。リタイアしてしまった仲間も少なくない。
私自身も皆と同様に苦しかった。相当な無理をした。そして自分で自分の首を絞めているような感覚に何度も襲われた。

 しかし我がTSWが次のステージに進むため、どうしてもある一線を越えたレベルまで引き上げなければならないと考えていた。この段階では、TSWの組織力を引き上げるべき最優先のものと設定していた。

バンドは(TSWは人数は少ないけれど)単独行動ではないのだ。様々な人がいろいろな立場でバンドに関わる必要がある。何事も人任せではダメだ。なぜなら「表現」とは他の誰でもない自分自身がするものだから。

 自身が何かを一生懸命やらなければならない、ということは理解し行動できるようになった。
 自分以外の人に対し「関係ないね」ではなく「自分も何か関われないか?」と考えることも少しずつ出来るようになった。
 次はその思いを個人だけで動くのではなく「全体としての具体的な行動」にすること、すなわち積極的に自分以外への働きかけをして、さらに一つにまとめ全体の方向性を整える事が課題だと考えていたのだ。

 しかしこれがなかなか難しかった。いじめられるから、はじかれてしまうから、という理由で人と違うことをすることを好まず、他人と衝突することを極度に恐れている君たちに対し、「自分の考えをきちんと他人に要求する」というのは最初はほとんど不可能だったよ。
 (ただの我が儘かも知れない)という一見立派な反省からか、(人と違ったらいやだな)という恥ずかしさからか、(意見がぶつかったら明日から一緒にやっていけないかも知れない)という恐怖心からか、どうしても具体的な行動に繋がらなかった。

 それでも 「喧嘩していいんだよ」「言わなきゃ知ってもらえないだろ」「もし間違えたと思ったら素直に「ごめんなさい」って謝る気持ちを持てばよい」と言い続けてきた。

 特に今年最後アンサンブルの練習をしているときに強調したよな。「他人行儀じゃだめだ」って。「もっと人に対してつっこんで行かなきゃ」って。「このメンバーの中だったら少々取り乱したって受け入れてくれるって信じなきゃ」って。
 少し時間がかかったけれど、なんとか理解できたのかなぁ、と思うようにはなってきた。とは言ってもどこまで君たちに響いているんだろうか?心の片隅ではまだ何かの拍子に少し不安に思ったりもする。

 今まで何もなかったところ(いや、否定的な感情から始まっているからスタートはむしろ負だ…)に新しい価値観をもたらすのだから、かなり積極的にいろいろ努力せねば先に進めないよな。
 「人と関わる」こと、来年もぜひ深めて欲しい。「アンサンブル」しよう!

 そして来年は次のステージ。次なる最大の目標は個々の技量アップだ。「まっすぐでくじけない気持ち」と「正しい練習」があれば必ず伸びる。今までは「気持ち」を整えることに重点を置いてきた。正しい練習を行うための環境作りだ。来年はその上にひたすら練習だ。技術を身につけよう!
 これからが貴方たちの正念場だ。へこたれるな。必ず出来る。そして身につけることの出来た技術は一生自分の宝になる。

 2008年は3年計画3年目。TSW飛躍の年にしよう!!!

 皆に期待する!!!

12月
29
変わること

アンコンが終わり、大掃除と反省会をして今年の練習を終了した。
今年1年どうだった?反省会でそれぞれ発言したけれど…。
ホントのところはどう?めいっぱいやれた?やろうと思うけれど、どうしても心にブレーキがかかっちゃう?それとももうやりたくない?いやいや、まだまだやれますよ?やってみせます?

(日誌より)
〜前略
変わらなきゃって思うだけじゃだめ。行動しなきゃ。「つもり」になってたのかもしれない。ううん。つもりだった。「やったつもり」だから自信がもてない。
それじゃだめだって何回言われただろう?なんで一歩がでない?
自分に問いかけてもごまかした答えしか出ない。答えにさえなってないかもしれない。いろんな言葉をかっこつけてならべたってだめなんだ。
大きい一歩。でも、実はそんな大きくないかもしれない。だした人にしかわからないこと。今だから失敗できる。今だから学べる時間がある。失敗を生かして、次はこうしよう、と思えるのは今だけなんだよね。社会に出たら「次」はないかもしれない。
後略〜

変わるって事はそんなに力まなくても出来るみたいだよ。

(日誌より)
〜前略
この前パート練した時性格変わったねって先輩に言われました。
〜中略〜
こんなにけっこうたって普通に部活をやってただけなのにどんどんかわっていくなんて思ってもみなかった。
〜中略〜
私も前は、あんまりしゃべらなかったけど最近はけっこうしゃべります。
だから  絶対変わるんだよ。時間がかかるかもしれないけど、みんなもかわるんだよ絶対。だから、みんな一緒に今をがんばろうね。
後略〜

みんな気張りすぎなのかもね。
難しく考えすぎなんじゃない?
何も躊躇する必要はない。
恥ずかしがる必要はない。
ずっと苦楽を共にしてきて、今一緒にいるこのメンバーの前で何を気取らなければいけない?

素で居ることの気楽さ、素で居られることのありがたさをもっと感じて欲しいな。
そういう事が出来るメンバーなんだ、と信じて欲しいな。

そしたらもっと簡単に先に進めるかもね。
一歩出した人が振り返ってその一歩を見た時、何でこんな簡単な一歩が出せなかったんだろう??って感じるようなごくごく簡単なことかも。

12月
25
駅伝応援

我が校駅伝部女子が全国高校駅伝大会に出場することになった。素晴らしい!
12月23日に5名の選手が京都を走る。
TSWはその応援に行くことになったのである。

前任校時代、甲子園の応援は数知れず行った。だから野球の応援の様子はよく知っているつもりだ。
しかし、駅伝の応援は行ったことも聞いたこともない。

何をすればいいのか全く見当がつかない。何処で演奏するのかさえ判らない。
準備が全く出来ないままあと数日というところまで来てしまった。

種目は何であれ、とにかく全国大会の組織応援の経験が無いのだから無理はないとは思うけれど…。
応援本部の機能がなかなか見えてこない。
なにより応援そのものを企画する部署がない。
とにかくバンドとチアが現場に行きさえすれば良い、と思われているのか?
ま、それもしょうがないか。一度経験すれば次からはいろいろと改善されるだろう…。
しかし、演奏する曲目の準備ができていなかったら、何も音は出ないぞ。
……。

うーん、いくら文句を言ったところで曲が無ければ困るのはこちら。チアと相談していくつかを見繕って準備した。2回ほど合同の練習も持った。なんとかその部分の目処はついた。
しかし、競技は1時間はかかる。前後で2時間ぐらいありそう。
こんな少しの曲数で足りる訳はないよなぁ、単独の演奏でももっと曲数準備しなければ、と急遽10数曲付け足しておいた。

 
前日昼過ぎに学校を出発し、夕方バスの中からバスの停車位置や楽器の積み卸し場所を確認するために現地をちらっと見た。
当日の朝7時頃現地着。「うへ!」競技場に近づいてびっくりした。なんと既にバンドの音が出ているのだ。強豪は応援も相当なんだな。
メインスタンドのバンドは何処も100名に近い。超えているところもありそう。しかもBrassだけだったりする。こちらは助っ人中学生を含めて総勢30名強。圧倒的物量の差。「嗚呼、人数が欲しい。」
駅伝

前日から降っていた雨も何とかあがり、競技が開始された。
会場に設置された大型ビジョンで何とか競技の画像は見える。
「あれ、先頭走ってるのうちの選手かぁ??  あっ!!そうだ!! 」
しかし音声は聞こえないので解説はわからない。
「おぉ? 何ジグザクに走ってんだよ??」
といってるうちに2位で2区にタスキを渡した。
2区もトップ争いをしている。
「すげ〜!!」
なんと3区は最後のスパートで、ついにトップタイで4区に繋ぐ。
わくわくするねぇ。
どきどきするねぇ。
よっしゃ、もっと音出そう!チアも演技したいでしょ!自分たちが一番得意なことで応援したいよね。
後半、バテそうになりながら出来る限り音出した。とても気持ち良い。

結果は、なんと7位入賞!!
初出場だよ、我が校は。
ゴール直後、校歌を演奏していたらなんだか久しぶりに胸が詰まった。
少し複雑な思いで京都まで出てきたけれど、とってもすがすがしく気分が良かった。来て良かった。
TSWはこんな宿泊遠征は初めてだったからか、色々なところで部員のミスが目立ち終始イライラモードだったけれど得るものは多かったなぁ。
一生懸命やってる姿っていうのは本当に感動する。TSW部員も何か熱いもの感じてくれただろう。

しかし帰ってきて正直がっかりした。
学校はいつもと全く変わらない雰囲気。休日のひっそりとした午後だった。
学校の回りにはこれ見よがしに健闘をたたえる垂れ幕が下がっていたり、応援隊が帰ってくるときは大勢の出迎えがいたり、と何かと派手にするものだと思っていたけれど、どうもここはそうではないらしい。
だから近隣の方々へのアピールも全くなさそうだ。
…本当にこれで良いのか?今後の課題は多そうだな。

12月
15
音楽鑑賞会

12月13日市内某保育園で鑑賞会演奏を行う。
テスト前から楽譜の準備はしてあったし、いくつかの企画も実際に練習開始していたりしてけれど、実質期末試験明け2日間で準備をする。

今回の課題は準備の素早さ、効率の追求。
小道具もパフォーマンスも演奏も、手分けして工夫し少ない時間で用意した。

かつての私だったら全てのことをみんなに託すのだが、少しはサポートしたほうが良いかな、といくつかの小道具準備を手伝った。
さかなのイラスト作ったよ。

楽器遊び

まず楽器体験。音を聞き、楽器を触り、名前を覚えてもらう。
おもしろいものでテューバが人気絶頂。
トランペットには案外寄ってこなかった。

 

演奏

 
 

演奏は、まずまず。達者には演奏できなかったが、楽しい雰囲気は伝わったかな。
何よりよかったのは、合計1時間ほどちびっ子達が飽きずに聞いてくれたこと。
ノリノリだったよ。元気が良すぎて、むしろ保育園の大人の皆様に気を遣わせてしまったりしたんじゃないかと少しだけ心配。

帰り際、生意気にも!?「上手かったな…」って感想をもらったり。うれしいぞ。
思わず苦笑して「ありがと!!」
観客がいての演奏、という実感はもてただろうか。

演奏会場での準備片付けの手際も良くしたい。少し準備に時間がかかったことが今後の課題か。
その場の状況でいろいろ工夫し即決即断し素早く準備をしなければならない。
経験も必要だが、その時々の状況を読む事が大切だな。各自出来たか?

12月
10
本気ってどのくらい?

やってるつもり。
頑張ってるつもり。
自分なりに…。
それって客観的に見たらどうなんだろう?って考えたことなんか無かったんじゃないかな?

(日誌より)
〜前略
昨日テレビでやっていた男子新体操部の番組は本当にすごかった。
「同じ高校生なんだよなー」って見てました。
手首にヒビが入っているのにそのまま練習してたり、ケガをして片方の足首が動かなかったり、一番衝撃的なのは、腰をケガしている人がいたことです。その人はドクターストップがかかっています。とても演技できる状態じゃないし、治すには半年かかるそうです。10分イスにに座っているのもツライんだそうです。
正直、なぜそこまでして続けるのか理解できませんでした。
でも演技している姿を見ると続けていられる理由がわかる気がしました。
本気なんです。その人だけじゃなく、みんな。
本当にすごいなーって思った。頑張る、努力するってこういう事なんだと思った。
上には上がいます。その人たちを見ると、私の努力はミジンコ程度だと思った。
でも、その新体操部大会では2位でした。
その人たちより上はいました。上には上がいます。上ははるかに高いのです。
後略〜

上には上がある現実を知るべきだ。
しかし、打ちひしがれる必要は全くない。
自分も目指せば良いのだから。あきらめなければ良いのだから。
 

初めてみんなに出逢った時、正直言うと「既に負けた顔をしている、あきらめた表情だ」と思った。
「何をやってもダメなんですぅ」と無言のうちに訴えているように感じた。さまざまな刺激を無表情、無反応という武器でかわしているように見えた。
実際練習を開始して見るとそのことが実によく判った。音は正直だからね。
出来ないはずはない。必ず出来るんだ。と声をからして訴えてもみんなはいつまで経っても無表情だった。「私たちにそんなこと出来るわけ無いじゃん。」「期待されても困るもん。」と目を逸らしていた。

その後、いろいろな経験を積んできたね。不安いっぱいで、迷いながら、逃げ出したくなりながら、立ちふさがる障害に嫌気がさしながら、不信感も持っただろうし、喧嘩もした。これでもかって程怒鳴られたし、怒られた。逆に相手にしてもらえなかったこともあるね。それでもみんなは少しずつ前に進んできた。自分なりに頑張ってきたわけだ。
その頑張り度が具体的にどのくらいかは判らない。しかし、「上には上が」あり、「本当にすごいなーっ」「頑張る、努力するってこういう事なんだ」ということを理解出来るようになった事は確かだ。
これって本当に大切なことだと思う。
今、自分のいる位置がどのあたりか、自分以外の世界はどうなっているのか、思い巡らすことが出来るんだもの。自分本位でやりたいことをぼんやりやっているだけでは決して到達できない発想。
あなたたちはここまで来れたんだよ。大いに自信を持とうじゃないか!

さて、そうなるとまた欲が出る。私は欲張りなんだな。
自分の本気、まだまだ余裕がありませんか?もし少しでもそう感じるならば、もうちょっとやってみましょうよ。本気レベル上げてみましょうよ。きっともっとたくさん自分自身の発見があるよ。

12月
08
日常の活動から

 私がTSWと関わるようになって2年目。よく考えるとまだ2年未満なんだな。
 とはいっても振り返ってゆっくり考えると、本当に急激な変化をしてきた、と感心するばかり。

 人数が集まらない、なかなかメンバーが定着しない、まだまだ技術力が足りない、など悩みはつきないもののそれでも奇跡的な変貌を遂げている事は確か。メンバーはその変貌に対し大いに自信を持って良いと思う。

 みんなの人としての成長が本当に素晴らしい。まだまだ発展途上ではあるけれど、当初予想した段階をいつの間にか遙かに超えている。それは学年毎に書いている日誌を見てもよく判る。

(日誌より)
〜前略
その人は4年後かーって言いながらなんか真剣に考えてたけど何も言わんかった。あたしはなんだか行きあたりで生きている気がしてきた。あたしは意味のある生き方がしたいと思った。その意味をみつけられる生き方がしたい。
後略〜

自分と向き合うことは実に怖いし難しい。でも、自分で自分を確かめたい気持ちの表れだよね、きっと。自分って何?何のために生きるの?って。

(日誌より)
〜前略
出逢ってくれた人みんながいていまのアタシがいると思います。そして信頼できる人に出逢えたことは、偶然とかたまたまとか運命?かわからないけれど必然で決められたことだって思いたいです。もっと早く出逢いたかったなんて言いたいけれど言えません。出逢えただけで嬉しいからです。
後略〜

自分とそれ以外の人。またその関係。そしてその上で自分が存在するという感覚。一人ではないという確信。

決して、TSWの活動だけが影響しているのでないだろう。それ以外の様々な経験によってこのステージまで来ることが出来たのだと思う。でも、ほんの少しでもTSWと関わったことが生きているならばそんなに嬉しいことはない、と心から思う。

12月
04
世代交代

だいぶ時期がずれ込んでしまった。もっと早く済ませたかったのだが私の怠慢で作業が遅れた。申し訳ない。

TSWは吹奏楽としてはまだまだ総人数が少ないバンドだ。だからスタッフを決めていくと何かしら役が回ってくることになる。一人にかかる負担は大きいだろうと思う。
でも、音楽は人数ではない。一人一人のクオリティを上げ少人数だからこそ可能な繊細な音楽を目指したい。
役のついた人、つかなかった人、皆それぞれに期待する。

12月
02
WIND MESSAGE 再開

NGOがTSW音楽監督に着任して1年7ヶ月。

吹奏楽復帰後、少しずつだがBAND感覚が回復してきた。
継承すべき事、逆に反省し修正すべき事、いろいろふまえてそろそろ自分自身の再出発を全開にしてきたい。
まず私の吹奏楽に対する想いを皆に伝えなければなるまい。そこでウィンドメッセージ再開を宣言する。