暗くなるまで公園でブランコしたり鬼ごっこしたり、裏道でゴム跳びしたり、山の中を探検したり、田んぼでオタマジャクシ取ったり、のような遊びの経験が少ない今の生徒達。友達が集まってもただ黙々とゲームをやってるだけで、自分のこととか人と関わることとかをあまり知らずに大きくなっちゃった生徒達。
それでも人間は生きているとどうしても自分自身を見つめなければならない時が来たり、人とぶつからなければならない状況が起きたりする。普通の時は何の問題もなく過ごせるけれど、ひとたび何か障害や問題にぶち当たると何をどうして良いか判らなくなる。で、全てを放棄して今までのことを忘れようとしてしまう。ゲームの電源切ってリセットするように。
これを乗り越えるのは理屈じゃないんだよ。経験なんだよ。たくさんの経験をしてそこで考え悩み苦しみ解決していったことの積み重ねが多いか少ないか。いわば経験値の高さだ。
だから、いま経験しないでいつするの?って思う。
麻疹みたいな物かもね。小さいときは誰でも罹る。一度罹れば大丈夫。でも大きくなってからは症状が重くなる。後遺症が残ることもあるらしい。
高校3年間なんてあっという間だよ。症状が重くならないぎりぎりの3年間だと思うな。
日誌より
〜前略
みんな、つらい時は相談してね。弱音だって吐けばいいと思う。「もうだめ。できない」はよくないけど、「こうゆう事があってつらいんだけどどうしたらいいと思う?」って相談したらいいと思う。いやな思いをためて、ためて、ためて…取り返しがつかなくならないように。壁はこえてもこえても永遠にあると思う。つらい事もこれから先、数えきれないくらいある。壁にぶつかって痛くても助けてくれる友達がいるなら、何度でも壁に向かっていけるんじゃないかな。心も体もボロボロになったって、仲間がはげましてくれたなら、また、めいっぱいになるまで出来ないかな。
後略〜
日誌より
〜前略
仲間…。人にぜんぶをさらけだすって、むずかしいよね。
昔何かあったらよけいに。
でも、言わなきゃ伝わらないだよね。
同じ部活の仲間として、人が少ないからこそ、1人1人の気持ちも大切で…。うまく言葉にできないです…。
いろいろのりこえていく仲間だからこそ、辛さもわかると思う。
はらのさぐりあいとかじゃなくて…。全部。
素を出したい。素がよくわからんけれど(自分の)
後略〜
日誌より
〜前略
人の心を動かすって難しいね。相手の立場になって考えたりするうちに、自分の心は苦しくなるし…。いろいろと言葉をかけたり行動したりしても、成果は見えなくて。練習はがんばったらその分上手くなるのになぁ。
もっと素直に感情を出したいよ。本当は泣きたいし、怒りたいし、腹から笑いたい。感情を素直に出せたら、何か伝わる気がする。
後略〜
自分自身のこと、そして人との関わりのこと。
逃げたらそこでおしまい。その先はない。今関わっていることだけでなくあらゆることに影響していく。
でも踏ん張れば必ず次がある。可能性に満ちた次のステージが待っている。世界が開ける。
「あなたの大きさはこれくらいです。だからこれがめいっぱいで限界ですね。この辺でやめときましょう。」
と周りの者が言ってしまったらもう伸びない。言われたらその瞬間は解放されたように思うかも知れないけれど、それは全く逆で永遠にその呪縛から逃れられなくなってしまう。
もっと伸びて欲しいから、苦しむ姿を見てとても不憫に思うけれど心を鬼にして「逃げるな!負けるな!」と言い続ける。支え続ける。それが仲間だと思う。