私の高校生時代は、前にも書いたが中途半端だった。
「祭」と名のつくイベントは御法度だった。だから体育大会。文化発表会。
今、我が勤務校では学園祭中。文化祭ではなく学園祭。名称にこだわるわけではないけれど色んな考え方があるんだ、と思う。
その文化発表会での出来事を思い出した。
「祭りではない」と厳しく言われるわけだから、お楽しみイベントは皆無に等しい。模擬店などあるはずもなく。野外ステージなどあるはずもなく。
だから皆行くところが無く体育館でやっているヘタクソ吹奏楽の演奏に群がってくる。
そして、なぜが生徒が大勢集まることを極度に嫌うので、たくさん集結してきた生徒を蹴散らそうと躍起になってくる。
校則に集会の禁止の条項がある学校。校外で3人以上集まるときは許可を戴く必要がある。ばれると始末書だ。
MAXの音量で校内放送が入り「クラスに戻れ」とガナリたてている。
我々吹奏楽部は当初のプログラムを淡々とこなしているだけなので、無視して最後まで演奏した。
それが1年の時だ。
2年の時は、その記憶があるのでクラスの友達と結託してあることを企てた。
もちろんロックバンドなども御法度なので、ベース弾きやギター弾き(もちろんエレクトリックだ)にけしかけ、吹奏楽の中で演奏してよ、と持ちかけたのである。
その時代はテクノポップ全盛。泣く子も黙るYMO(イエローマジックオーケストラ)の時代だ。参加してもらう曲は私のアレンジでYMOの「ライディーン」始め数曲。
ところが当日、どこから漏れたのか弾圧が始まった。緊急ミーティングを開き相談開始。我々吹奏楽は当初から覚悟は決まっている。「やるぞ!」の一言でみんなの目はぎらぎら。でも、ギター弾きやベース弾きは「俺たちは構わないけれどまじめにやっている吹奏楽部に迷惑がかかるから…」と弱気だ。
すったもんだして、結局ベースやギター無しで演奏はした。その助っ人たちに迷惑がかかったら逆に申し訳ないと判断したんだ。
それでも演奏場所の体育館は大変な人だかり。YMOをやったら盛り上がる盛り上がる。踊り出すのもいる。
指揮ふりながら、なんだか妙に気持ちがよかった。
そうそう、あれだけ事前に問題になったのに何故かおとがめはなかったんだ。
拍子抜けしつつ「だったらやっぱりベ−スとギター入れれば良かったね」と部内で大いに盛り上がった。
俺の青春の1ページだな。懐かしい!