少し前に、ここ「音楽祭」という記事で、
「土俵に上がらなければ相撲は取れない。早く上がってこい。」
と書いた。
もしかしたら、何とかして土俵に上がっても上がったとたんこてんぱんにやっつけられてしまいそうなイメージを持ってしまったか?
もしそうだとしたら、土俵に上がることはとっても恐ろしい事に感じてしまうだろうよ。誰だって打ちのめされる為だけにそんな所に上りたくない。
そう思えば、気持ちが沈み、足がすくむ。全ての物が自分を攻撃してくるように感じ、ただ逃げたくなる。
私が言っているのは全く反対なんだがな。
土俵の上は別世界。上がればそこに別天地があるんだ。想像力が豊かであれば、その土俵がどれだけすばらしい場所か判ってもらえるのだが。
そこを目指せないのだとしたら、理由は大きく二つだと思う。
一つめは、見たことも無いその場所を「素晴らしい場所」だと信じられないこと。
二つはめ、「素晴らしい場所である事は判っているけれどそこに行くまでが大変」だから、おっくうで出来ない、面倒くさい、やる気が起こらない、と思ってしまう事。
どうだろう?心当たりある?
土俵に上ると言うことは、対等にゲームが出来ると言うことだ。
もちろん、気を抜いたら即負けるだろうよ。そりゃ、いい加減なことをしていたら叩きのめされるだろうよ。しかし「土俵に上がれた」のなら、その段階でいい加減なことはしないと思うんだ。いい加減ではないから土俵に上がれると思うんだ。
であるならば、逆にあなたたちが勝ち誇る可能性だって充分ある。プレイヤーとして、音楽の上で対等になれるんだから。
だからこそこちらもいつでも真剣勝負。
あなたたちがどんなに頑張ったとしても、まだまだ負けてなんかいられないからね。
あなたたちと叡智を尽くして全力で音楽したい。
もう一度書く。
「土俵に上がらなければ相撲は取れない。早く上がってこい。」