11月
29

今回の修学旅行でいくつか気が付いたことがある。

「気が付いた」ではなく「再認識した」の方が近いか。

昨年、次々と泊まったホテルにて毎食後、コーヒーを飲みたいと思った。
だからホテルの人に「コーヒーはありますか?どこかで飲めるところありますか?」と尋ねた。もし食事にコーヒーを含んでいないのなら自分でオーダーして飲むつもりで。
しかし、だいたいの所ではサービスでコーヒーを求められていると思うのか「しばらくお待ちください」と引っ込み、責任者らしい人が出てきて、普通はコーヒーはサービスしない旨の説明をしてから「特別にお出しします。時間がかかりますが少々お待ちください。」と、手続きがややこしかった。
その事を添乗員さんに、自分で払うから食後のコーヒーを手配してくれないですか、と話をしたりしたのだが、なかなかわかってもらえず結局全部自分でやった。

今回、最初のホテルで同じ事を望んだ。ホテルの方は「大変申し訳ありませんが修学旅行の場合、食後のコーヒーはサービスに含まれておりません。しかしコーヒーをお入れすることはできます。別料金になりますが。」と明確にしかし丁寧にお話しいただけた。「もちろん自分で払います。お願いできますか?」
大変スムーズだったことに気をよくした。
次の朝、何も言わなくてもコーヒーが出た。おっ!とびっくりした。それだけでない。別料金ではないのだ。
さらに。次のホテルでも、何も言わないのにコーヒーがある。さらに次のホテルでも、打ち合わせでコーヒーが出てきた。
先のホテルで「修学旅行の場合、どのホテルもコーヒーのサービスはしない」のだと明言されたのにもかかわらず。ホテルの対応が一律にサービス良くなったわけではあるまい。

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長々とコーヒーのことを書いた。たかがコーヒー一杯。されどコーヒー一杯。
あの状況の中、コーヒー一杯が普通に出てくるには確実に誰かの配慮があるはずだ。誰かの指示であると考えた。誰だろう?
我々教員は無粋だからそんなことに気が付くはずはないし、気が付いたとしても一つ一つ指示する余裕は無いと思う。
たぶんこの場合、できるのは添乗員さんだけ。
今回同行した添乗員さんが、私が自身で払ってコーヒーを飲んだことをどこかで知って、先回りしたのではないだろうか。きっとそうだ。

このことだけをとってみても今回の添乗員さんの質の高さが解る。かゆいところに手が届くのである。
そうやって思い起こせば、気が付かないところでそういった配慮がたくさんあったのだろうな、と推測できる。
毎日の反省会の手配。
何かトラブル前に手を打ってある手腕。
クレームの処理。
事前の予知とその対策。
同行している部下への配慮。
素晴らしいと思った。

そういう意味で昨年は私自身、様々なことで随分イライラした記憶がある。
お世話になる(マリンスポーツなどの)現地業者さんと話をしたが、そちら側も同じようにイライラしていたみたい。結局、学校と現地業者の間で随分ギスギスしたやりとりになってしまったのは、間に立つ人の采配如何だったのだと思う。

結局「人」なのだ。

今回は添乗員S氏が素晴らしかった。
最後別れる時に「楽しい旅でした。本当にありがとうございました。」と心からお礼を申し述べた。
「この人だったら、次また何かあったときにお願いしたい。」と思った。
決して旅行会社に対して思うのではない。
この「人」に対して思うのだ。
少なくとも私はそう考える。この人だったら信頼できる。託そう!と。
 

バスのガイドさん運転手さん、タクシーの運転手さん、ガマでのガイドさん、ホテルの方々、様々なところで様々な「人」に関わって旅行は進んでいく。
お世話をしていただける「人」と、それを受け取る我々の「人」。
受け取る側、つまり我々(生徒)の「人」が未熟であることは重々承知ではあるが、しかし、ちょっとそれはないんじゃない、と思う状況は多々あった。
「人」と「人」が関わって物事が成り立っているのにそれを尊重できないことは、人としてとても貧弱だ。

特に沖縄で私たち修学旅行に関わっていただける人たちは皆、「平和について伝えたい」と思っていらっしゃる。 

その気持はとても強いのだと今回さらに感じた。

その思いをきちんと受け止めるだけの誠意は常に持ち合わせていたい。

結局は「人」なのだ。
「人」を磨くこと。

そして、かつての師匠の言葉がオーバーラップしてくる。
「音楽はな、人だぞ、人。 教育もな、人だぞ、人。  …技術じゃないんだ。」
教える側も教えられる側も「人」を磨かなければいけない。

どんなことがあっても忘れてはならない。

11月
29
修学旅行四日目

朝から快晴。
最終日にしてようやく。

朝一番で首里城見学をする。
昨年同様、修学旅行生でいっぱい。資料館ももっとゆっくり説明文読みたいしじっくり展示物見たいけれど、ぐりぐり後ろから押されてトコロテン式に動くしか手はない。
たまに横にそれていくつかの集団をやり過ごすが、後から後から押し寄せてくるので焼け石に水なんだな。
それでも、昨年工事中だったところ(書院の部分とか)を見ることできて良かった。真新しいから少し違和感があるものの。

後からガイドさんにお聞きしたら「これでも今日はすごく少ないですよ」ということらしい。

4日間の沖縄滞在を終え、一路セントレアへ、と思いきや、那覇空港で「ただいま中部国際空港は強風のため着陸できない可能性があります。その場合の着陸地点は東京国際空港か関西国際空港に変更になります。あらかじめご了承ください」などとアナウンスされている。
ま、着陸時の幸運を祈るしかないねと、ジャンボに乗り込む。

渥美半島が見えてきて、だんだん高度が落ち、「何だ、大丈夫じゃない?」と思った瞬間、エンジンが全開になり急上昇。「当機は着陸を試みましたが、当社規定の以上の横風が吹いていますので、再度着陸をするために上昇しています。」だとさ。
知多半島をぐるっと一周するような感じで旋回し、再度着陸態勢に。「今度は行けそうじゃん!」
しかし先ほどより若干高度が下がったところで、再度エンジン全開。「あぁ、だめだ。」
上昇しつつ、「あれ、さっきと景色がちがう、西向いてる!」
こりゃ関空に向かうか?もしそんな事態になったらどうすりゃいい?
「当機は再度着陸を試みましたが、やはり当社規定の以上の横風が吹いていますので、着陸中止し上昇しています。滑走路を変えて再度着陸を試みます。今しばらくお待ちください」
進入を逆にするんだ、南からではなく北から降りるんだと理解した。

ようやく3回目は無事に降りた。
少し到着が遅れたけれど、関空まで行かずに済んで良かったよ。
全体的にも特に大きなトラブル無く良い旅行でした。

もちろんこの旅行で色々感じること考えることありました。
それは近々また別の機会で。