2月
21
卒業式

予餞会・卒業を祝う会・卒業式が、全日制、定時制の両課程で終了した。
それに伴うそれぞれのリハーサル、練習などなどもあった。
我がTSWは忙しくハードな三日間だった。

毎回、本番前はどうなるかと冷や冷やさせられるの勘弁してほしいなぁ。間に合わないかもしれないという綱渡りは本当に苦しい。予定通りに練習が出来たとしても怪しかったのに、全体リハーサルの延長やら、式典の他の練習やらでどんどん練習時間と場所が限定されてしまったから、さらに苦しい練習になった。
演奏だけではなく、予餞会ステージの出ハケが全然組み立てられずとてもみっともなかった。
間に合いそうもないと思ったので、結局、口を出し指示をしてしまった。我慢強く充分待てないんだなと反省しきり。

そんなこんなではあったが、拙いながらも何とか誠意を込めて卒業生を送り出すのに失礼ではない演奏にはなったったかと思う。外からの刺激・圧力で緊張感を高めるのではなく、自身の中から余裕を持って緊張感を出せるようになったら、と願う。
 
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TSWみんなの先頭に立って一生懸命部活動をしていたのにパタッと私の前から姿を消した生徒がいる。
その彼女がこの卒業式で学校を巣立っていった。

TSWから離脱するにあたり何も感じなかったわけではないと思う。
その後、私たちの練習はいつも聞こえていただろうし。
卒業式の演奏だって間近でTSWの音を聴いたのだ。
万感胸に迫るものはあっただろうと、この先力強く生きて行けよ、なんてつらつら考えながら答辞を聞いていた。
ただでさえ、立派な答辞で感心していたところ、ある不意打ちを食らい見事私の心に命中したのだった。
思わず涙が一筋流れた。
熱い感情が徐々に胸に込み上げてきて、のようにドラマチックなものではない。突然、つっと一筋流れてしまった。

式後、友だとたちと屈託無く笑い喜び合っているのを見て、私の心の中にあった重い物が取れた気がした。
心の底から嬉しく思い、ひとりでに笑みがこぼれてきて困った。
一瞬こちらを見た気がしたので思わず声をかけようとした。が、止めた。
プライドの高い彼女のことだ、自身の感情をコントロールしようとして無理をさせてしまうだろう、と思ったから。
結局そのまま何も言わず見送った。でもやはり私は一人でにやけていたような気がする。

何にせよ良い卒業式だった。
こんな卒業式に立ち会えることが出来たTSWの諸君は幸せだろうと思う。
その直後に行った吹奏楽連盟の会でも「立ち会った生徒たちは本当に良い経験してるよねぇ!! 吹奏楽部だけの特権だよねぇ!!」と話題になった。

日誌にこんな感想があった。
「全日制よりも、定時制の方が「自分たちは卒業するんだ!!」ってオーラ!?がギラギラっぽかったです。どうせ卒業するならあんな風にしたい!!と思います。」
4年間生き延びた末の卒業なんだもの。そりゃ、うれしいだろうさ。

答辞の一節。(これは記憶…)
「普通の高校生ではない道を選択したがためにお父さんお母さんに重い荷物を背負わせてしまいました。ごめんなさい。」
いやいや、謝る必要は全く無いと思うよ。立派に卒業したじゃん。

いつもは挨拶しても見向きもしてくれない金髪アンチャンに「おめでとう!」って通りすがりに声をかけてみたら、小さな声で「うん…」って応えてくれた。心の底から喜んでいることがヒシヒシと伝わってくる。

皆さん、卒業後も立派な人生を歩んでください。自分の生き方に自信を持って下さい。誰の物でもない自分の人生なんだから。