先日悩み相談のようなことになった。
複数のスタッフがよってたかって、ああでもない、こうでもない、と。
誰もが真剣にそれぞれの意見を述べ、しかしはじめから結論ありき、の進行ではない。
長い時間かけていろんな話をした。それが当事者にとって何かの足しになったかどうかは全くわからないけれど、少なくとも「話を聞いてくれる人はいるんだ」ということはわかってくれたかなぁ。
私たちが目指しているものは、まさしくユートピアだし、それを音楽の本番として実現できる可能性を持っているあの3年間では、なぜだか日常でも実感できるのだけれど、だからといっていつもその状態が身近にあるとは限らない。
むしろあの3年間は奇跡で幻なのかもよ。その後一度も再現しないかもしれないから。
その体験が有るか無いかで全くその後が変わってしまうといっても過言ではないと思う。
それほど純度は高いんだな。しかし、たいがいその直中にいるときは気がつかないし、理解したときには時間はとっくの昔に過ぎ去っている。
しかも、外から見てて、わからない人は決定的にわからない。
どうしようもない。
どうしようもないからマイノリティなんだと自嘲し、しかし厳然と誇りを持つ。
彼女は、ユートピアであってほしい場所が、今そうではないことに悩み苦しみ、どうしていいか解らなくなっちゃったみたい。世の中には居心地のよい場所があることを知っているからこそ、今、自分の居場所を見失ってしまった感じかな。
そんなときは旅に出るといいと思う。
旅とはどんなに長い旅でも戻るところがある。寅さんだって必ず戻ってくるだろ?
だから良いんだ。戻るところがあるという保険。