なってきたな。
大概演奏会前ってのはあたふたする物だけれど、現場にいないですべてをオーガナイズするのは大変難しい。
現在はインターネットとかメールとか携帯電話とか便利なツールがたくさんあるから何とかなりそうなものだけれど、それでも苦労することが多い。
実際には、ネットやメールだけだと微妙なニュアンス伝わらなくて、どうしても会って話してみなければ判らないこと多い。作業するにはその場にいないと出来ないし。
今現在のネット社会の限界かな。全員でTV会議でもしたらまた違うんだろうか。
以前、大きなプロジェクトを、全国(北海道、東京、鎌倉、名古屋、岐阜、大阪、兵庫などなど)に散らばる実行委員で準備したことがある。すべては事務局長の私と、ごく数名のメンバーが現場で動き回り、あとはことごとくメール、FAXでのやりとり。ほんのたまに電話。それぞれが会うことはあっても、全員が一堂に会したのはその本番の日一日だけ。元々全く知らない人じゃなかったからかな。少なくとも委員メンバーと私はすべて以前から繋がっていた。
準備2ヶ月間で取り交わしたメールは1400通を越える。しかも1通を原稿用紙に書いたら何十枚という量だったろう。一日仕事から帰ってくると、その大量なメールを読んで文字に溺れないように流れに乗るまでが大変だ。何時間もかかる。
それでも、みんなの思いが強いので、なんとか粘り強く困難な仕事をやり遂げた。私自身は、下手舞台の袖で声を殺して沢山の涙を流した。遠方からの人が多く、終了後も打ち上げをする暇もなく普段の生活に戻っていった。
どこに出しても恥ずかしくない、それぞれが感銘深い我が師の音楽葬だった。
余談だが業者に一切頼まなかったからか、(葬儀屋)専門業界紙で話題になったらしい。取材依頼も来たっけな。
方法は色々あるが、実現するためには条件が整わなければならない。
しかし、出来る!と見込んだら後は最後まで走りきる。
もちろん簡単ではない。自分の見込みと勘と気力だ。
そうしたら終わった後、必ず、振り返って「凄いことをしたんだ」と判るときが来る。
私は今までそうやってきた。
そして今回も。