3月
17
あちこちでハクモクレンが全開だ。
ソメイヨシノの開花予想も、すぐそこまで来ている。
この時期、何故か吹奏楽の定期演奏会が目白押し。
学校が春休みに入った途端、連日あちこちのホールで開催されていく。
一昔前は、学校の一部活が自前の定期演奏会を音楽ホールでやることなんて様々な制約があってとっても難しく、それでも伝統校は演奏会の回数を重ねていて、「いいなぁ、自分たちもやりたいなぁ」と思っていたものだ。
それが今では多くの人が定期演奏会なんてちょいちょいと簡単にできる事だと思っているらしい。
ところがどっこい、みんながそこらじゅうでやるからといって、一つの演奏会を開催する労力は昔も今も全く変わらない。
1つ1つ積み上げていかなければまともな演奏会は極めて難しい。
演奏会は、よく「開演ベルが鳴ったら、もうほぼ終わったも同然。」といわれる。
それだけ準備が大変ということ。
ベルが鳴ってしまったら、あとは「目一杯演奏するだけ」しかないのだ。
目一杯演奏することだって並大抵のことではないのにね…。
演奏が出来る、その状態にいたるまで地道に積み重ねた途方もない沢山の見えない努力があることを決して忘れないで欲しい。
自分では出来なかった事を、誰かが肩代わりしてやってくれているからこそ、ようやく一つの演奏会が開催できるのだ、と。
本番の舞台はそこに乗っている人のためだけにあるのではない。
関わった沢山の人達の思いが凝縮しているのだ。
だからこそ、舞台上では、じぶんの持てる全ての力を出し尽くす必要がある。そのために誰がなんと言おうと必死に準備する必要がある。
入念に準備された大切な舞台を、無配慮な一音で台無しにしないために。
泣いても笑っても、演奏会が終わると新しい春が来る。
あと三日。