8月
30
音楽語法の

ネイティブ化について考えているうちに、急にもう一度読みたくなった本。
その中の一節。

五感は最大の障害物
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ふたりはやがて、声や文字や記号に託すことばがいらない、まったき相互理解の境地に達する。思考や感情を共有するのに、いちいち象徴を使ってそれを表現する必要がないことがわかってくる。そして、たがいの調和を自覚したふたりは、自分たちが他のすべての生き物とも調和していることに気が付いていく。
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「 ヒトはイヌとハエにきけ―異種間コンタクトの方法 J・アレン・ブーン 著、上野圭一 訳 講談社」 より

(以前もちらっとここで紹介したことがある。)
ふたりとは、著者(J.アレン ブーン)とストロングハートとという名のジャーマンシェパード(イヌ)の事だ。
自分もイヌと生活を共にしていた経験があるから、ここに書かれている内容が単なる眉唾ではなく、出来得るならば自分もそこに行き着きたいと思うものだ。
そして音楽人として思うのは、ヒトとヒトが音楽を介してコミュニケーションできる可能性があるとすれば、さらにその延長線上にこの境地があって欲しい。

言い方を変えて、本来持っていたコミュニケーション能力を失った代償として、音楽をはじめとする芸術という一見いかがわしいモノがヒトの文化として成立してきたのではないかと。
しかし、その音楽でさえ今はその役割を充分に果たすことが難しい場面が増えているのではないかと。
 

先述の本は、今日の夕方、少しだけ気温の下がった風を受けながら、前半(イヌの部分)まで読んだ。
後半はハエのフレディーが出てくる。
特に導入のガラガラヘビのくだりは説得力があると思っている。
ゆっくり噛みしめながら読み進めよう。
そして、何度もはじめから読み返そう。

もう一つ引用を付け足そうと思う。
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「イヌにかんする事実がある。またイヌにかんする意見がある。事実はイヌのものだし、意見は人間のものだ。イヌにかんする事実が知りたいのなら直接イヌから知るしかない。意見がほしいんだったら人間にきけばいい。」
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2010/08/31 10:29