12月
19
黒いオルフェ

昨晩のコンサートでのアンコール1曲目。
不覚にもいきなり涙が滲んだ。
内輪ではない演奏会では何十年ぶりだろうか。

終演後、理由を考えた。
「演奏」や「音」とか、「アンコール演奏する前の挨拶」の言葉などを通してそう感じたのでもないように思う。
自分の心の真芯を「何か」によって直撃されたようだった。
敢えて言葉にするなら「優しさ」「愛おしさ」「思いやり」「感謝」のようなものがホールいっぱいに満ち溢れたような感覚、ということなのか。
その感覚は、特に各プレイヤーが各々ソロを取っている間中、続いたように思う。

今も考えているが、やはりいくら考えてもその答えは良く分からないままだ。

一つだけうっすら判るのは、私がパンフレットのコラムにも書いたアヴレウ博士の言葉、
「(音楽は)言葉では表せない何かを示される。理屈では説明できない何かを示される。」
なのだろうということ。

であるならば、感じるしかない、のだな。
上手く説明できないが、核心はここにある。