ちょっとした買い物のために車で出た。
帰り道、既に日は落ちて暗くなっていた。
急ぎだったが目的のモノは問題なく手に入ったので、ほっとしながら市街地を抜けていた。
ある交差点を東に向けて曲がったら、突然目の前に大きな大きな満月があらわれた。
昨日の雨と今日の強風で空気も澄んでいるのだろう。美しいだけでなくとんでもなく力が漲っているように見えた。
いきなりだったから余計にそう思ったのかも知れない。
車の中ではいつも入れっぱなしのマリンスキー/ゲルギエフのショスタコ7番・4楽章の最終盤が大音量でなっている。
妙に高揚感に溢れたマッチングで、違う世界に行ってしまう気配すら感じたのだった。