この時期になるといつも考えてしまう。
吹奏楽コンクールって自分にとって何だろう、って。
ま、以前のように頑なではなくなってきているけれど、それでもコンクールのための練習を暑い中必死にやっていると「本当にこれで良いのかなぁ…?」とふっと頭の中をよぎる。
執拗な音程合わせとタイミング合わせに終始し「サウンド」の純化向上を目指す。
もちろんそれだけではないたくさんの音楽的処理もするのだけれど、次の大会に抜けるためにはどうしても避けられないサウンドの純化。しかも、それはやればやるだけ効果が目に見えて(耳に聞こえて)くるのだから、ある意味中毒的でもある。
今現在、3つのバンドでそれをやっている。地区を抜けさらに次へ、という各バンドの欲求を満たすために。
途方もない数の音達一つ一つを粘り強く揃えていく作業は、いくら音楽室にエアコンが整備されていてもとてもしんどい。
午前と午後と別の2つのバンドをレッスンしたら帰りの車の運転が危ないくらい意識朦朧でくたくたになる。たぶんバンドのメンバーも同じなんだろうな。
その事がどれだけ大切かということも重々承知の上、「しかし、こんな事ばかりやっていたらこの若い人達、音楽嫌いになるよ」と危険を感じるのも事実。
さらに複雑な状況として、その3つのバンドうちの1つは私自身が棒を振る。自分が振るからこそ余計に「音楽」に比重をかけたいと思う一方、「成果」がその後の仕事に影響を及ぼす事は否めないから、それは少し苦しい。
しかも他バンドの成果が上がれば上がるほど自分の首を絞めることになる。
…そんなこと考えたってしょうがないのにね。
結局はバンドを目の前にしたら、そこで出来る事を目一杯やってしまう自分がいる。
何だか自分でも訳の判らない状況のなか、バンド(=バンドのメンバー)と対峙してその瞬間瞬間を切り刻んでいるような。
はぁ。まったく成長していないなぁ。
どうやったら「音」と「音楽」のバランスが取れたレッスンが可能になるのかしら。