コンクールラッシュが終わってしばらく日にちが経つ。
ようやく一息ついて、色々ざわついていたものが落ち着いてきた。
棒を振ったバンド3団体。
レッスンに行ったバンドは…えっと、幾つだっけ?
審査員も。
コンクール日程が年々早くなっていて、夏休みにじっくりとレッスン、というわけにはいかず、どの団体にもスケジュール調整でご迷惑をお掛けした。申し訳ない。
それでも、それぞれのバンドは少しでも良い音楽にするために粘り強く練習に励み、それぞれきちんと成果が出たと思う。頂いた賞の色に一喜一憂するのではなく自分達がやってきたことに自信を持ってさらに前に進んで欲しいと思う。
さて私自身、今年は妙な絶望感はなく、むしろ沢山の発見があってとっても有意義だった。
なんと言っても、自分の方向性がかなり明確に見えてきたことは重要だ。
今までずっと納得できなかったことの理由が判ってきたようなのだ。
例えば。
なぜコンクールを嫌いなのか。
バンド界での「サウンド」至上主義に抵抗したくなるのはなぜなのか。
皆が「うまい!」という団体の演奏を聴いても、必ずしも「素晴らしい!」と思わないことがあるのはなぜか。
レッスンをしていて、どうしても拘ってしまうことがある(しかも、それはコンクールでは不利益なことが多い!)のはなぜか。
最近読み漁っている類の本の中に、
「学校はグライダー人間の訓練所である。飛行機人間はつくらない」
(※ グライダーは自力では飛びあがれない。牽引してもらってようやく空に飛び出す。一方、飛行機にはエンジンが付いていて自発的にいつでも空に飛び出すことができる。)
さらに、
「しかし、現実にはグライダー能力が圧倒的で、飛行機能力はまるでなし、という”優秀な”人間がたくさんいることもたしかで、しかもそういう人も”翔べる”という評価を受けているのである」
思考の整理学 外山滋比古 / ちくま文庫
をみつけたりして「あ、そういうことか」と気が付いたりしているのである。
私はバンドのメンバーに対し常に飛行機人間を望んでいる!
思い起こせば、ずっと昔からそのようなことを口走り、いつもそれを追いかけてきた。
今さら何を再確認しているのだ、と思うが、その再確認が今の私にとってとても重要であることには間違いがない。
ようやくとっかかりが見えてきたようだ。