10月
18
「楽しければいいじゃん」と聞くと「うーん。それは少し違うんだよなぁ。」と言ってしまうことがある。それは「その瞬間楽しくさえあれば他は何でも良いんだ」という意味にとれる時だな。
逆に、「楽しさを求めるなんて甘い甘い!」な雰囲気を感じるときもあるが、やはり「うーん。それは少し違うんだよなぁ。」と言ってしまうことがある。「では、何のためにやってるの?そんな苦しいこと。」って思っちゃう。
だから、「えっ?じゃあどっちなのさ?」と思われることは多いだろうな。
そして、それを簡単な言葉で説明できず、なかなか難しいことだとずっと感じていた。
技術を「楽しさ」だけで論じるつもりはない。
〜中略〜
しかし、それでもやはり根底にあるのは、楽しさなのである。これを感じない人は技術者にはなれない、と僕は考えている。どんなに腕が良くても、である。それは、この得体の知れない楽しさだけが、技術というものへ向かう姿勢を長時間持続させるからだ。創るセンス 工作の思考 / 森 博嗣 著 / 集英社新書 より
# 森 博嗣という人は以前ここで書いたスカイ・クロラの作者。名古屋大学工学部の助教授だった方で、小説だけでなくここで紹介するような新書も複数ある。
「楽しさ」と「厳しさ」の同居を良く言い表しているな、と感じたので、覚え書き。
タマゴが先かニワトリが先かの議論に似ているけれど、私はほんの少しだけ「楽しさ」の方が先かなと思うわけで、それをうまく言い当ててる。
もう一つ同じ本から。
優れた技術者とは、知識が豊富なのではなく、ものの道理を知っている人のことだ。どうも、現代は本当に懇切丁寧なマニュアル社会になった。言葉が多すぎる(情報過多だ)から、言葉に埋もれてしまうのだと思う。
ふむふむ。