湖北水鳥センター

鳥撮りやバードウォッチングについて誰かにきちんと教えていただいたことは無い。
けれど、鳥撮りに興味を持ちだして半年ほど経ち写真の精度だけではない部分も充実させなければと考えるようになった。
もっぱらWEBで情報を集めることばかりなのだが、やはりそれでは断片的な情報が多く、自分の中で寄せ集めて一つにしていかなければしっくりこない場合が多い。
特に、その世界にある暗黙の了解事項とか、本来的なあり方とか、前提として知っておくべき事は、好き嫌いではなくきちんと理解しておくべきだと思っている。
鳥の生態や取り巻く環境、人の関わり方、などなど様々な基盤があってはじめて鳥見や鳥撮りが楽しめるのだから。

そんな折、鳥見の場所をGoogleMapで探しているときに「琵琶湖湖北水鳥センター」という施設があることを思い出した。
隣が、湖北(高月)の十一面観音を見に行ったりする時などによく利用する道の駅。以前(まだ鳥撮りに興味の無かった頃、)この水鳥センターの建物に入ろうと思ったことはあるのだが、有料だったので結局入らずじまいのまま。
「そうだ、こういうところで少し勉強しよう。」と出掛けてみることにした。ぽっかり空いた11月のウィークディのこと。

9時の開館時間に合わせようと早朝自宅を出発し、現地付近では視界数十mの朝霧に煙っていた。
景色を見通せないのでナビ案内で農道を抜けながら「もうすぐだな」の頃合いで異様な場に出会った。
「今のなんだ?」
思わず、Uターンして路肩に車を止め写真を撮った。
トビ
すべてトビだ。いまからトラクターが入ろうとする畑の畦。写っているのは半分にもならないからもっとたくさんのトビがお行儀良く並んでいた。しばらくして一斉に飛び立ったが、朝霧の中、異様ともいえるが、神秘的で壮観だった!

全然晴れない深い霧の中、現地到着。開館前だったので少し時間調整しながら,モズなどを撮ってみる。
モズ

ピントが甘いのか霧のせいかスッキリしてませんね。

開館時間になったので大人一人¥200の入館料払って入る。
エントランスは外階段を上がって2階。入ったら目の前に道路を挟んだ琵琶湖を一望できるようになっていて、望遠鏡がずらっと並んでる。
いただいたパンフレット。
琵琶湖湖北水鳥センター
琵琶湖湖北水鳥センター

いろいろな説明をしていただきながら、望遠鏡を覗いてみる。
まだまだ霧が晴れないが、浮かんでいる様々な鳥がよく見える。
水鳥(特にカモ類)は全然勉強不足で種類すらわからないなだけれど、丁寧に色々教えて下さる。

オオヒシクイという希少種が飛来する場所であること。
この時期もう既にコハクチョウがたくさん飛来していること(その時間ではもう給餌に出てしまったようだが…)。
島の木にトビが営巣してるよ。
オオタカも来るよ。
湖岸の芦原は様々な小鳥のねぐらになっている。
ラムサール条約で守られているので湖岸は立ち入り禁止。
裏の山には「山本山のおばあちゃん」というオオワシが毎年飛来する。
などなど…。

もっとたくさんの説明を聞き、望遠鏡を覗き、そのほかの展示物をじっくりと鑑賞してから、センターを出て「昨日はこの辺にコハクチョウがいた」という場所にいってみた。群れではなかったが2羽、稲の二番穂をついばんでいた。

コハクチョウ
コハクチョウ手持ち K-3II BORG-71FL F AFアダプター1.7X SS 1/2000秒 f/6.7 ISO-320 540mm トリミング

霧は晴れ天気が良くなってきたので、スーパーで昼食を調達し近くの運動公園でいただく。池もあり鳥撮りも出来そうだったから食後の運動でカメラを持って歩いてみる。
さすが、鳥が多い、と思った。数も種類も。

水浴びモズ
モズ手持ち K-3II BORG-71FL F AFアダプター1.7X SS 1/1250秒 f/6.7 ISO-1000 540mm トリミング

少し休もうとベンチに座っていたら飛び出してきた。あとでホオジロとわかったのだが、体が細く色が薄いように見え、種類が何かわからなかった。とにかく撮る。
ホオジロ
ホオジロ手持ち K-3II BORG-71FL F AFアダプター1.7X SS 1/500秒 f/6.7 ISO-250 540mm トリミング

ふと上を見上げると猛禽が飛んでる。これも何かわからない。けれど知ってるとりではない。とにかく撮ってみる。
ミサゴ手持ち K-3II BORG-71FL F AFアダプター1.7X SS 1/1250秒 f/6.7 ISO-400 540mm トリミング
なにか狙ってるんだろう。
ミサゴ手持ち K-3II BORG-71FL F AFアダプター1.7X SS 1/1250秒 f/6.7 ISO-400 540mm トリミング
あ、ホバリング。で急降下した。
今いるところからその先は見えない。どうなったかわからないので「ま、しょうがないねぇ」と歩き出したら、また悠々と上がってきた。
ミサゴ手持ち K-3II BORG-71FL F AFアダプター1.7X SS 1/800秒 f/6.7 ISO-250 540mm トリミング
撮った写真を確認して「あ、魚持ってる!!!!!」
惜しいねぇ、場所が良かったら水に飛び込むところ見えたのに。
とはいっても、種類もわからず、どんな生態なのかもわからずだから、魚を捕るなんて想像も出来なかった。やはり無知は損する。
車に戻って調べ、ミサゴだとわかる。ミサゴは魚が餌のメインなんだって。

こうやって一つ一つ覚えていくことが大切なんだなぁ、と改めて思う。水鳥センターの学芸員の方からレクチャーを受けて、知ることは面白い、と思ったばかりだが、すぐその後でまた新しいことを知ることが出来た。

充実した湖北での鳥見鳥撮りの帰り道、広大な田んぼの上で猛禽とカラスがバトルしてる。思わず車で追いかけ、電柱に止まった猛禽を撮ってみる。トビかと思ったがノスリだ。
ノスリ手持ち K-3II BORG-71FL F AFアダプター1.7X SS 1/2000秒 f/6.7 ISO-1600 540mm トリミング

今日全体を通して、撮れる写真も今までを思うと随分改善してきたように思う。
また、粘り強くやり続けなければダメだし、知らないからこそ勉強しないと先に進まないな、と思ったりもした。
とにかく嬉しい一日だった。

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