つい最近HERMANN SCHERCHENという人の指揮したチャイコフスキーやらを聴いた。中身は1812年。ロミオとジュリエット。ハチャトリアンのガイーヌ。ムソルグスキーの禿げ山。たまたま準備室で生徒が聴いていたのが耳に入ったのだけれど。
ぶっ飛んだ!なんだこりゃ!
CDの解説読むと「名演」って書いてある。名演の定義って何だろう?
私は単純に破綻している、と感じた。もしくはふざけているのかとも。
オケはウィーン国立歌劇場管弦楽団。個々のプレーヤーは確実にうまい、と思う。特に金管。
しかし、それが演奏のクオリティには何ら反映していない。
木管は音程が酷い。
打楽器は酔っぱらっているんではないか、と思うくらいやる気がない。
みんなたまにロストして落ちる。
テンポが合わない。
バランスなんか関係ない。(これは録音のせいかも?)
……。
何より音楽が運んでない。メロディーが、リズムが。
全体的な印象としては、演奏者が指揮者に辟易して
「めんどくせーなぁ、仕事だからさ、しょうがないからさ、あんたのやりたいようにやってやるけどな、でもな、それじゃ音楽にならんのだぜ、あーあ。不毛だ、早く仕事終わらんかな…。」
簡単に言うと、やけくそな感じ。
オケの問題ではなく、まさしく棒の悪行。
一番最初に耳に入った時は小音量でCDラジカセから。
聞こえてくるその演奏は、まさに日本のアマチュア吹奏楽コンクール地区大会の音楽。ガイーヌなんか特にそうだ。そばにいた生徒に、それどこのコンクール?って聞きそうになった。
アマチュアはそれでも許される。技術はなくても一生懸命さは偽りがないからね。単なる下手は罪じゃない。
でも、プロフェッショナルな方々はそれじゃまずいでしょ、と思うんだけどな。
気になったので後でじっくり腰を据えて聞き直してみたが、感想は前述の通り。
さらに先ほど少し調べてみた。
現代音楽の初演に力を入れていたんだって。へぇー。
デビュー当時のクセナキスを絶賛したんだって。へぇー。
「音楽の本質」という著書があるんだって。へぇー。(ぜひ読んでみたいゾ。)
それまで私の車の中ではゲルギエフの悲愴とロミジュリがずっとかかっていた。ゲルギエフの演奏も意見が割れるのではないかと思うが、私は大好きだ。それこそ本質が見える、と思う。
それと比べるまでもなく「なんだこりゃ?」だった。笑うしかない感じ。
世の中にはいろいろな物があるもんだ。
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