白状すると、決して、毎日の指導を綿密な計画の下に、しかも自信満々にやっているわけではない。ほとんどの場合が思ったようには行かず、進むべき方向やその方法など修正、修正の繰り返しである。その瞬間の判断で持っていく方向がまったく変わってしまう事だって良くある。
その一方で、その瞬間に自分が感じたり考えたりしたことを率直に受け止め行動しよう、と心がけているのも確か。それが良いのか悪いのかそれすら解らないけれど、いくら突拍子も無いことであってもその時自分が感じたり考えたりしたことは自分自身にとって事実に変わりないので、ありのままに振舞うのがいちばん嘘が無いはず、と、とても身勝手に思っている。
もちろん、もっと長期なスパンで、私と関わった(わっている)人たちが将来こうなって欲しいな、という強い希望は持っている。
とはいっても、これもあくまでも私の「希望」なので、私の身勝手をみんなに押し付けることになるかもしれない、のは承知の上。
だから、いつも迷うし悩む。教え育て指導することと、自分の価値観を強要することの一線を見失いそうになるから。
その迷いを振り切り自分を前に進めてくれるのは他でもない、目の前にいる生徒たち。
私の発言に一喜一憂し、一生懸命応えてくれようとしている。
(日誌より)
〜前略
ぶっちゃけた話、うちはこんな人生送るつもりなかったです。
〜中略〜
部活だって吹奏楽には入ろうと思っていたけど、そんなに真剣じゃなくて、それより、高校生だから、いろいろな憧れがあって。でも豊川高校に入ってみたら部活は大変だし勉強もやれッて言うし、
〜中略〜
色々なものに挟まれて挟まれて、うわぁーッてなった時もあった。うちはもっと楽に生きるつもりだった。なんとなく楽しく生きるつもりだったんです。でも、ここに来て本当の楽しさいっぱい知れました。本当の辛さもいっぱい知れたし、大変さも耐えることも、沢山人生の勉強をして、毎日楽しいです。毎日幸せです。でも、多分もっと違うかもしれん。まだ本当は知れてなくて、もっともっと楽しいことも辛いことも、違う楽しさも辛さも、まだまだもっと知りたいと思う。部活でもだけど、それだけじゃなくて、もっと色んなこと経験して色んな所で、知っていけたら良いな。自分の世界を広げたい。最近は苦しいことが楽しいです。苦しいけれどもう嫌だッ!てなるけれど本当は嫌じゃないです。適当に生きなくて良かったって思う。こんなに夢中になれることがあって、こんなに目標に向かって頑張っていける場所があってこんなに良い仲間と友達と先生方に囲まれて世界一ではないけど、今までの〜〜〜〜一幸せです。でも、この先もっと幸せなことが訪れるといいな。
後略〜
まだまだもっともっと頑張らなければ、と思う瞬間。
迷っている暇なんか無いよ、応えなければ、と反省する瞬間。
私がやっていることでも、何かしら意味がありそうだ、やらなきゃダメなんだ、と確信する瞬間。
日誌があってよかったな。
なかなか面と向かってしゃべるの難しいもんな。
書いてくれてありがとう。
私が何か豊かに感じる瞬間をありがとう。
日誌とは各学年に1冊ずつ回っていて、日替わり当番が思ったことを書いて毎日顧問に提出することになっている冊子。書いてあることがどこまで本音か判らない時もあるけれど、大概飾らずに本音を書いてくれていると思っている。根拠は無い。私の直感。
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