1月
09
散歩
少し前まで犬の散歩は夜中だった。
毎日毎日土日も祝日も全く休み無く必死に音楽を成り立たせようとしてもがき、片道65kmの高速道路通勤を渋滞でへろへろになり、ようやく家に帰って随分遅い夕食を取っていると、
「さぁ、今度は私の番だよ!」
と、しっぽを振りながら横に来る犬。上手にお座りをしてじっとこちらを見る。
鼻つんつん攻撃。
アゴ乗せ攻撃。
握手攻撃。
「そだよな」
とリードを付け外に出る。もう日付も変わっているが自分の健康のためにも歩かなきゃ、と。
しかし、その後はほとんど盲導犬状態。
歩きながら寝る。どこを歩いたか記憶はない。
家に帰ってきた意識はなくそのまま朝まで寝ている。
少し前まではほとんど毎日がそうだった。
そんなにしてまで何を守ろうとしていたのか。
今日、久しぶりに夜の散歩してその事を思い出した。
もう遠い昔のようだ。
守ろうとした意味はあったのか。
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