9月
28
目指すべき
山の頂がほんの一瞬だけ見えた気がした。
長い時間かけてさまよったあげく諦めかけていた物が、ようやく見えたような気がしたのだ。
脳内の片隅に張り付いた頂きの記憶を頼りに、少しずつその全容のイメージを広げようと試みる。
輪郭さえ危ういが、それでもほんの一瞬のガスの切れ目からうっすら見え隠れする景色の切れ切れが、付いたり離れたりしながら「そこは絶景なのではないか」という期待を膨らませていく。
(一方で、同時に、その頂はやはり幻想なだけかもしれない、という恐れが膨らんでいくのも事実。)
しかしながら、情けないことに、その頂への道はおろか今いる袋小路から抜け出す方法すら全く見いだせないのだ。
ただただ、天を仰いで立ちすくむばかり。
頂が期待にしろ幻想にしろ、ここを抜け出す事がさしあたっての最大重要事項ではある。
次なる一歩をどう踏み出すのか。
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