10月
27
メールのやりとり(3)

シリーズ第三弾。
だんだん、始めの相談内容から離れていってしまっている感じ。
しかも矢継ぎ早な返信間隔。自分自身も何かしら吐き出したくてしょうがないのかも知れない。

============
日時: 9月12日
件名: Re: Sです。

> これなんですよ。『信じること』と『待つこと』
> これなんですよねえ。ここでめげちゃうんです。まだまだ未熟です。
> ここで、焦りと苛立ちと怒りが抑えきれなくなっちゃうんです。

それは隠す必要はないと思う。
こちらだって生身の人間なんだし。
ただ、その状態になっても信頼関係が崩れないための策は事前に確立しておく必要はある。
私は、それは生徒一人一人への理解だと思ってた。
「親にも友達にも、もちろんタンニンのセンセーになんか決して言えないようなことを、理解してくれて考えてくれる。」と生徒が感じてくれるようになったら、大概のことは大丈夫だと思う。
合奏は怒鳴りまくってたけど、(世間的=学校的に)問題抱えた生徒が多かったからほとんどカウンセラーのような事をやって励ましてた。

直接そう感じさせることは難しいかもだけど、他の部員に対しての私の対応などを見て少しずつそう思ってくれるようにはなったと思う。
そのあたりの逸話は数え切れない。凄まじい話し沢山あるよ。

また、怒りまくり方は昔の比じゃなかった。
「おまえらを心の底から信じているのになぜオレを裏切る?」
「おまえらだって必ず出来るはず。さっき出来たじゃないか。なのに自分で『出来ません』と諦めることに猛烈に腹が立つ。自分を粗末にする奴は嫌いじゃ!」
逆に良いところは思い切り褒めまくったつもりだけどね。
そうそう、いなくなる直前は怒る必要はほとんど無くなった。部員が私の先回りをしていて、ただにこにこしてればよかった。

つい最近、その当時の話しをしたけど、信頼してくれていたんだなぁ、と改めてありがたく思ったよ。

> 今年の1年には『○○にいけば全国へいけるから娘を入学させた。』
> 『だから全国大会にいってもらわないとなんのためにいかせたかわからんくなる』
> なんて言う保護者もいます。

娘は親の私有物ではなく、別の一人の人格なんだけどね。
娘はそんな風に言ってくれる親のことをどう思っているんだろうか。親以上に心底「絶対全国行く!!!」と思っているのなら問題ないけど、いつの間にか親にそんな風に思わされているのだったらなんだか不幸な気がするよね。背負わなくても良い物背負わされてる。
ま、どこまでが叱咤激励でどこからが親のエゴか判らないから、とっても微妙で難しいところだけどね。

で、自分で考えることの出来ない人が増えるのですよ。
代わりに誰か(この文脈では親)が考えて判断しちゃうから、本人はその物事を決める経緯や決まった結果について責任感じていない場合が多い。そして、うまく行かなかったときは自分ではなく、人のせいになる。

全国に行けなかったら「こんな学校来るんじゃなかった」「先輩が悪い」「あいつは嫌いだ」「練習方法が悪い」「指導者が悪い」挙げ句の果てに「交代させろ」とかね。

ああ、たいへんだぁ。

〜中略〜

> あの時は本当にしんどかったです。毎日のように名東スポーツセンターにいって導線考えたり
> 客席の位置を考えたり…
> しかしあの経験は色んなところで活きてると思います。

ま、世間的に矢面に立つのは私だったから、コーチやスタッフは純粋に演技の計画や仕上がりのダメ出しだけで済むからね。
有る意味派手に失敗を経験できるから次の糧にはなった、かな。
失敗はとっても大切なのです。

あらゆるしかけをした上で「信じて」「待つ」のですね。でも芽が出るのはうんと先ですよ。

果報は寝て待て。
============

続編は続く