Symphony No2 in D Major, Op.73 / Johannes Brahms
(交響曲第2番 ニ長調 作品73 ヨハネス・ブラームス作曲)
ずっと昔、ある人と話しをしているときになぜかこの曲の話題になった。(その人がバンドアレンジの演奏をすることになったんだったか…だったかな…。)
で、その人が唐突に私に尋ねた。
「ブラームスは何であんな和音つけたのかね?」
「えっ、どこのこと?」
「1楽章始まってすぐ2回目のホルンの出る前。」
「(えっ、そこ?)なんで、って言われても…。」
具体的には第一楽章冒頭9小節目。
小難しく言うと、この曲はD Durなのでその部分はH,D,Fisの構成音でVI度の和音になるところ。次の小節でII度調(E moll)になりホルンでテーマの確保が行われる直前だ。私は何の疑問もなくE mollに移るためのVI度だと思っていた。
「何であんな和音にしたのかな??」と大いに疑問のご様子。
彼が言うには「D durなんだからD,Fis,A(主和音)で良いじゃん。」と、随分強い主張だ。
彼にそんなことを尋ねられるとは思ってもいなかったし、あらためて聞かれどう答えて良いのか判らずに窮したのだけれど、私はようやく「ブラームスに聞いてみないと解らないねぇ…。」と曖昧に返した。
今日、突然にこのエピソードを思い出した。
バンドの様々なことに思いを巡らしている時だった。
いや、彼のこと云々を考えていたわけではない。
吹奏楽界では往々にしてあり得るこのような話しをつらつらと思い起こしていた時だ。
吹奏楽界では有名な彼がこんな質問を発することに吃驚したんだった。
「吹奏楽」って何だろ?
音楽を演奏する単なる編成の一つではないのか?
吹奏楽だって先祖代々脈々と受け継いできた豊かな音楽のはずなんだけど、(日本の)吹奏楽だけなんだか貧弱なことになっていないか?
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