最近ポツポツとでも本を読むようにしている。
元々本を読むことは嫌いではない。いやむしろ大好きだ。
それなのに、あまり読まない事が続いた。読んでいないばかりではなく、それに気が付いていないふりをし続けていた。
気になっていることをそのままにしないで、少しでも何か考えなければ、と思い、まずはとにかく読む、と相成ったわけ。
たくさん読んだわけでもないのだが、でも、なぜだか、読んだ本のそれぞれから必ず行き着いてしまう人が一人いることに気が付いた。
そして、その人のことを知らないまま読む本を広げていくことはマズイのではないか、と思い至ったのだが、敷居が高いイメージがあって、どこから手を付けたものか、と、しばらく放置されたまま、しかし乱読は続いていた。
そんな折、先日たまたま行った図書館の開架で対談集を見つけ、これなら始めの一冊として良さそうだ、と借りてきた。しかも運良く図書館は蔵書整理の都合でしばらく閉館になり4週間借りられる。時間がかかったり何度も読む必要があったりなのではないかと億劫になっている身にとって好都合だ。(この手の本はなかなかbookoffで見つからないので…。)
というわけで
「すべてを引き受けるという」という思想 吉本隆明(光文社)
を読んだ。
今まで出来るだけ(無意識に)そぉっとしておいた頭の中一部分をぐるぐるかき回されている感じ。
「甘いんだよ!」「もっと良く考えろよ!」「おまえはそれだからダメなんだよ!」等々。
とはいっても全くイヤな感じではない。思考だけでなく様々な感覚や感触を否応なく刺激され、むしろ叱咤激励されている感じと言っても良いと思う。そして、机の上には既に次の本が置いてある。(きっと無知の手当たり次第、なんだろうけれど読まなければ先に進まないし。)
(良くも悪くも)密閉された中で時間をかけほんの少しずつ発酵してきたものが、ここに来て外気にふれ、変化の速度が劇的に加速している感触があり、その変化を(全く根拠はないのだが)受け入れたい気持があるのは紛れもない。
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