WIND MESSAGE

by NGO

OLD WIND MESSAGE 8

1995.4.12 (未完成・未公開)

NGOがT邦吹奏楽部時代に書いたものを再掲載します

 平成7年度に突入した。

 幸田高校とのジョイントコンサートは、本番までは苦しかったが、とても良い本番だった。客観的に録音を聴くと、うーんまだまだと思う事たくさん有りだが、前日までの様子の事を考えるとそれなりの演奏をしたと素直に思う。合同演奏もかなり幸田に助けてもらった感じもするが、それでも我が部員諸君も良かった。

 我々は、この演奏会を通じて色々な勉強をしたと思う。練習の仕方、練習に対する態度、集中力、困難にあきらめず立ち向かうこと、大きなプレッシャーに負けない強い自己管理能力、自分たちの力がほんのちっぽけな物で無く、やればやるほど(勿論それには色々苦しい事があるが)潜在的な力が開発されていくという実感、等々。練習している最中はそんなこと感じている余裕などは無かっただろうが、本番を成功させて振り返ってみて、感じたこと、解ったこと、多いのではないか。
 正直言って本番何日か前までは「今年一年何ともならないかも知れない」と思っていた。私の中にある今年一年の構想がガラガラと音を立てて崩れて行きそうだった。それがなんとかなったのだ。なんとかなったのは奇跡でも何でもない。みんなが本来持っている力を出し始めたからだ。もっと自分の力を信じよう!
 大切なのは、それを次に生かす事だ。感じた事、解ったことをそれで終わらせてしまう事無くその上で更なるステップアップをすることだ。君達なら出来る。私は確信する。

 印象的だったのは、アンコール3曲とも終わり、西野コーチに招かれて顧問二人が舞台に出ていく直前で、孝育先生が「コンクールくそくらえ!」と小さく呟いた事である。この言葉だけを安直に聞いてしまうと危険だが、あの本番の雰囲気、みんなの気持ち、演奏の中身を含めて考えると、奥が深い。孝育先生もそこにコンクールを越える何かを、いつも私がみんなに言っている「音楽の喜び」を、感じたに違いない。
 孝育先生だけでなく、幸田の部員諸君も感じたはずである。もちろん私も西野コーチも東邦のみんなも感じた。両校のOB/OGも感じた。でなければあの演奏は出来ない。すべての人が、一つの物に向かってまっしぐらに突き進む、それも困難に立ち向かい克服し、そのすべてを超越したところでの喜び。

 こんな演奏会を持てる幸せは、他ではなかなか無いだろうな。
 しかしこの事が我々だけで終わってしまうのは余りにももったいない。もっとたくさんの色々な人に知ってもらいたいし広まって欲しい。東邦、幸田だけでなくたくさんの学校で

 (註 原文ここで終わり)